社会主義とは?社会主義の国を一覧で説明。共産主義との違いや社会主義市場経済のことも解説!

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社会主義とは?簡単に説明します。【資本主義と社会主義の違いを比較】

社会主義ってよく聞くけど何のこと?

社会主義とは?

まず、社会主義について辞書で調べると次のように書かれています。

生産手段を社会全体の共有とし、個人が私有することを認めない社会制度。

資本主義を否定して、生産手段の社会的共有により階級対立のない社会をじつげんしようとする思想および運動。

精選版 日本国語大辞典

これを簡単に説明すると次のようになります。

社会主義では財産や土地は国のもの。(個人の財産はなし)

給料も国が全員に平等に支給してくれる。

つまり、みんなが平等に財産を持っているので、貧富の差はない

これが社会主義の考え方です。

ですが、少しイメージしづらいですよね?

なぜならば、日本を含めて、多くの世界の国は社会主義ではなく、資本主義を採用しているからです。

なので、資本主義と社会主義を比べると違いがわかりやすいと思います。

次の章で見ていきましょう。

資本主義と社会主義の違いを比較

まずは資本主義について解説していきます。

資本主義とは

資本主義では、個人が財産や土地などを持つことができます

仕事の選択も自由です。

例えば、私たちが住んでいる家も、持っているお金も私個人のものです。

国のものではありませんよね。

また、お金を手に入れるためには働かなければなりません。

その働き方も自由です。

資本家(雇う側)でも労働者(雇われる側)でも自由に自分で選ぶことができます

資本主義のデメリット

貧富の差が拡大すること

資本主義では、資本家と労働者の関係が成り立ちます

よって、人によって稼ぐお金の額が違ってきます。

お金がなく貧しい人もいれば、お金を余るほど持っている大金持ちもいるので、

貧富の差は拡大します。

しかし、働いて頑張っただけ自分の財産を増やすことができるので、これは資本主義のメリットともいえます。

資本主義の経済体制

国が介入しない経済体制です。

市場の動きに任せておくと、需要と供給のバランスがうまく取れるので、勝手に適正な市場価格になってくれます。

この価格に応じて、生産者が商品を製造する量や、消費者が購入する量が決まります。

このような経済を市場経済と言います。

では、社会主義ではどうでしょうか?

詳しくみていきましょう!

社会主義とは

社会主義では産や土地は国のものです。

なので、自分個人が所有しているお金や土地はありません。

全ての財産は国や地方公共団体などに管理されています。

また、仕事は国や地方公共団体などから割り振られます。

よって資本家と労働者の関係はなく、全員が平等になります。

この結果、給料も平等に配布されるので、貧富の差は拡大しません。

社会主義のデメリット

働く意欲が減少し、生産性が低下して経済が停滞してしまうこと

社会主義では資本主義と違い、全員が同じ給料を手に入れられます。

どんなに頑張って仕事をしても、どんなに怠けて適当に仕事をしても、給料は同じです。

その結果、労働者はやる気を失い、働く意欲が低下しました。

他社との競争やより稼ぐ必要性もないので、良い商品や技術改良も行われません。

よって、国全体の生産性は低下してしまいます。

社会主義の経済体制

国が介入する経済体制です。

国の計画と司令のもとに商品の生産・流通・販売が行われます。

このような経済体制を計画経済と言います。

社会主義の国を一覧で説明します。

社会主義の国ってどこかな?

現在は、5カ国が社会主義の国として存在しています。

1 中華人民共和国(中国)

2 朝鮮民衆主義人民共和国(北朝鮮)

3 ベトナム

4 ラオス

5 キューバ

ちなみに、世界で初めて社会主義の国として誕生したのは、「ソビエト連邦」です。

しかし、ソ連は1991年に崩壊し、ロシアが誕生します。

ロシアは、資本主義の国ですので、社会主義の国ではありません。

社会主義と共産主義の違いとは?

社会主義と共産主義ってよく聞くけど、どんな違いがあるのかな?

ここまで社会主義について説明してきましたが、

共産主義という言葉もよく耳にします。

ここでは社会主義と共産主義の違いについて解説していきます。

まずは共産主義について説明します。

共産主義とは

社会主義が発展し、生産手段・生産物など全ての財産を共有することによって、

貧富の差のない社会を実現しようとする思想のこと

社会主義と共産主義の違い

社会主義の場合には、財産や土地、給料は全て国が管理しますが、

共産主義の場合には、そもそも全ての財産はみんなで共有するという考えがあるので、

国が管理すること自体もいらないことになります

いわば、社会主義の究極形態が共産主義といえます。

しかし、共産主義の国が今まで存在したことはなく、

今日では社会主義と共産主義は同等の意味合いで使われることが多いです。

社会主義市場経済とは何?

社会主義市場経済って良く聞くけど

どういうこと何だろう?

社会主義に市場経済のメカニズムを導入したものです。

社会主義では一般的に計画経済が採用されますが、

そのデメリットとして、「働く意欲が減少し、生産性が低下して経済が停滞してしまうこと」が挙げられます。

そこで、社会主義国も市場経済を導入して、

働く意欲を向上させ、生産性を高めようというのが狙いです。

中国では、1990年代前期から市場経済の導入が始まっていますし、

ベトナムのドイモイ政策も同様の方向に向かっています。

まとめ

  • 社会主義とは、「財産や土地は国のもの。給料も平等に支給してくれので、貧富の差はない。」という社会制度、または思想のこと。
  • 資本主義とは、「財産や土地は個人のもの。給料は人により異なり、資本家と労働者の関係が成り立つ。貧富の差が拡大する。」という社会制度、または思想のこと。
  • 社会主義国は現在5カ国ある。「中国・北朝鮮・ベトナム・ラオス・キューバ」
  • 共産主義とは、社会主義の究極形態。しかし、今日ではほぼ同義で使用される。
  • 社会主義市場経済とは、「社会主義に市場経済のメカニズムを導入したもの」です。

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